開設に寄せて

ブログを開設したのはこれが初めてではない。

 

スマートフォンが一般的になる前、自分だけのVAIOを持っていた私は、当時流行し始めたばかりのtwitterや、成熟期のニコニコ動画に没頭していた。その中で開設したブログは、確か3回くらいしか更新していない。

 

あれから時は過ぎ、しばらくは実名でインターネットを利用することが多かったのだが、コンプライアンスの遵守が必要となる年頃にもなり、匿名の世界が恋しくなった。それが今敢えてブログを始める理由である。

 

生まれてこのかた、感情を言葉で形容することを苦手にしてきた。それは単なる口下手に止まらないと私自身は捉えている。もちろん、思い上がりが幾分か含まれることは承知している。

拙い語彙と表現では、靄のように浮かんだ感情、思考、それらを表現することができないのだ。有り合わせの言葉で表現を試みれば、表現しきれなかった部分は消えて無くなってしまう。

その感覚がどうしても恐くて、なんとか正確に、思ったことや視えているものを表現しようとすれば、曖昧で冗長なものになってしまう。

 

そんな退屈な素人の文章を、実名で世界中に公開するなんておぞましい。

 

部屋の隅の塵のように、隠れて少しずつたまっていけばいいのだ。